この記事でわかること
  • 最多ジャイキリ記録を持つのはJFLのHonda FC(通算13勝)。「Jリーグへの門番」とも呼ばれ、2019年には浦和レッズを2-0で撃破してベスト8に進出した。プロが最も嫌う相手として毎年天皇杯を盛り上げてきた。
  • 2021年は番狂わせの宝庫。関西1部のおこしやす京都ACがJ1・サンフレッチェ広島に1-5で快勝し、順天堂大学がJ1・FC東京を撃破。名古屋グランパスも鹿屋体育大学に0-3で完敗するなど、1年間で衝撃的なジャイキリが相次いだ。
  • 2022年にはJ2のヴァンフォーレ甲府が優勝を果たし、下剋上の頂点を極めた。J1クラブを次々と撃破した甲府の快進撃は、天皇杯番狂わせ史上最大のインパクトを残した。
天皇杯ジャイアントキリング番狂わせHonda FCヴァンフォーレ甲府サッカーJリーグアマチュア

天皇杯で起きた歴史的なジャイアントキリングを特集。高校生がJ1王者を追い詰めた2003年から、5部相当のアマチュアがJ1を撃破した2021年、J2の甲府が優勝した2022年まで。通算13勝のHonda FCなど名場面を網羅した。

詳しく見てみると

2003年:高校生がJ1王者を追い詰める

インターハイ9度・全国高校選手権5度の優勝を誇る名門・市立船橋高校が、天皇杯史に残る快進撃を演じた。1回戦でJFLのザスパ草津を撃破し、2回戦でも大学チームを撃破。3回戦でその年のJ1を制覇した横浜F・マリノスと対戦した。

日本代表選手を多数抱える王者に0-2と先行されながら、後半にセットプレーから1点を返し、終了残り5分に劇的な同点ゴールを挙げた。延長の末に惜敗したが、J1王者を同点まで追い詰めた高校生の姿は全国のサッカーファンに衝撃を与えた。

2007年・2019年:Honda FC、最多13勝の「Jへの門番」

JFLのHonda FC(静岡)は天皇杯における「常連の刺客」として知られる。Jリーグ発足以降の通算ジャイアントキリング勝利数は13勝でダントツの最多記録だ。

2007年と2019年の2大会ではベスト8まで進出した。2019年大会では3回戦でJ1・浦和レッズを2-0で撃破し、準々決勝で鹿島アントラーズに惜敗。毎年プロが最も嫌う相手として天皇杯を盛り上げてきた。

2014年:史上初「5部相当がJ1を撃破」

関西1部に所属していた奈良クラブが、当時J1に在籍していたヴィッセル神戸を撃破した。J1クラブが5部相当のチームに敗れたのも、Jクラブが4カテゴリー下のチームに敗れたのも、いずれもこれが史上初の記録となった。

2017年:筑波大学がJ1・ベガルタ仙台を撃破

関東大学1部の筑波大学がJ1・ベガルタ仙台を撃破し16強入りを果たした。筑波大は天皇杯での通算勝利数5勝と大学チームとしては屈指の実績を持ち、大学サッカーの本気を全国に示した。

2019年:法政大学がJ1・ガンバ大阪を撃破

前年度の全日本大学選手権優勝の法政大学が、3回戦でJ1のガンバ大阪と対戦。前半に先制し後半にも追加点を挙げ、2-0で完封撃破した。大学チームがJ1クラブを完封するという衝撃的な結果だった。

2021年:番狂わせ連発の「ジャイキリ年」

2021年は史上類を見ないほど番狂わせが続出した年として語り継がれる。

関西1部のおこしやす京都ACがJ1・サンフレッチェ広島を1-5と大差で撃破。スコアが逆だと思われても仕方ない衝撃的な内容だった。同じ大会で順天堂大学がJ1・FC東京を撃破し、名古屋グランパスは鹿屋体育大学に0-3と完敗。J1の複数クラブが大学・地域クラブに敗れるという異例の年となった。

2022年:ヴァンフォーレ甲府がJ2から頂点へ

天皇杯ジャイアントキリング史上最大の結末が訪れたのが2022年だ。J2のヴァンフォーレ甲府がJ1クラブを次々と撃破し、決勝でサンフレッチェ広島とPK戦の末に優勝。Jリーグ発足以降でJ2クラブの優勝はFC東京以来11年ぶりの快挙だった。

ジャイキリを起こした主な実績チーム

チーム カテゴリ 通算勝利数 代表的な金星
Honda FC JFL 13勝 浦和レッズ撃破・ベスト8×2回
筑波大学 関東大学1部 5勝 ベガルタ仙台撃破
おこしやす京都AC 関西1部 広島に1-5で快勝
奈良クラブ 関西1部 史上初の5部相当による金星
法政大学 関東大学1部 ガンバ大阪を2-0で完封
ヴァンフォーレ甲府 J2 6勝 J2から優勝

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Q&A

天皇杯で最多ジャイアントキリングを起こしたチームはどこですか?
JFLのHonda FCで通算13勝を記録しています。2019年にはJ1・浦和レッズを2-0で撃破してベスト8に進出しました。
最も格差があったジャイアントキリングはどれですか?
2014年に関西1部の奈良クラブがJ1・ヴィッセル神戸を撃破した事例です。J1クラブが5部相当のチームに敗れたのも、4カテゴリー下のチームに敗れたのも史上初の記録でした。
J2以下のクラブが天皇杯で優勝したことはありますか?
2回あります。2011年にFC東京が、2022年にヴァンフォーレ甲府が優勝しました。甲府の優勝は天皇杯史上最大の下剋上として語り継がれています。
この記事のまとめ
  1. 1999年以降、J1全クラブが天皇杯2回戦を全勝したことは一度もない。毎年必ずジャイキリが起きるのが天皇杯の本質だ。
  2. Honda FCの通算13勝が最多記録。2021年はおこしやす京都AC・順天堂大・鹿屋体育大などがJ1を撃破する「ジャイキリ連発年」となった。
  3. 2022年にはJ2・ヴァンフォーレ甲府が優勝し、天皇杯の下剋上ストーリーは頂点に達した。今年2026年もどんな番狂わせが起きるか目が離せない。
なうらぼ編集部より

2021年の第101回大会を振り返ると、1年でここまで番狂わせが起きるのかと今でも驚きます。

5部相当のおこしやす京都ACがJ1・広島に1-5で快勝し、名古屋グランパスが大学の鹿屋体育大学に0-3で完封負け。さらに順天堂大学がFC東京を倒すという、1大会でJ1の複数クラブが大学・地域クラブに敗れた歴史的な年でした。

なぜこれほどジャイアントキリングが起きるのか。理由のひとつは「1発勝負」という形式にあります。シーズンの疲労を抱えたJ1クラブが格下相手に油断しやすい一方で、格下チームには「この1試合に人生をかけてきた」という意気込みがある。この非対称な動機の差が毎年奇跡を生み続けています。

今年2026年の第106回大会でも、どこかで必ず歴史が動きます。

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