この記事でわかること
  • 防衛白書・航空法・日本機械学会用語集など公開情報源から約4,000語を抽出・整備し音声認識モデルを再訓練。名詞の認識誤り率(noun-WER)を18.6%から8.2%へと約10ポイント改善し、誤り率を56.0%削減した。
  • 特定分野への特化学習では他分野の精度が落ちる「破滅的忘却」が課題となるが、shirushi-defenseは一般ビジネス会議でもCER 44.7%削減と精度がむしろ向上。防衛・航空の専門会議と通常の社内会議を同一モデルで扱える。
  • 提供形態はオンプレミス型AI議事録ツール「SecureMemo」の期間限定無償オプション。SecureMemoは外部ネットワークから遮断された環境で動作し、機密性の高い会議内容を社内で完結して文字起こし・要約まで行える。
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Nishikaが防衛・航空特化の音声認識モデル「shirushi-defense」を8月25日にリリース。約4,000語の専門語彙で誤変換を約6割削減。オンプレミス型AI議事録ツール「SecureMemo」の期間限定無償オプションとして提供開始。

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開発の背景:防衛・航空現場特有の「言葉の壁」

防衛関連企業や航空分野の会議・技術報告の現場では、装備品名・部隊・階級呼称・材料力学・流体工学の専門用語が日常的に飛び交う。従来の汎用音声認識AIではこれらが一般的な同音異義語に置き換わることが多く、議事録の修正作業に多大な時間を要することが課題となっていた。

さらに医療分野と異なり、防衛・航空分野には一元化された標準用語辞書が存在しないという固有の難しさがある。NishikaはこのギャップをAIで埋めるべく、防衛白書(索引)・航空法・国土交通省の航空用語集・日本機械学会の各分野用語集(材料力学・流体工学・計算力学・設計工学など)から専門用語を抽出・統合し、読み仮名の整備・表記ゆれの解消まで行った独自の防衛用語辞書(約4,000語)を構築。自社の音声認識モデルへの再訓練を実施した。

性能改善の数値

指標 従来モデル shirushi-defense 改善率
noun-WER(名詞誤り率) 18.6% 8.2% 56.0%削減
CER(文字誤り率) 63.6%削減
一般会議でのCER 44.7%削減(精度向上)

防衛分野の評価データ813件のうち44.9%の発話で精度が改善し、悪化したのは4.4%にとどまった。

「破滅的忘却」を克服した設計

特定分野への特化学習では、その分野以外の音声認識精度が劣化する「破滅的忘却」が課題となる。shirushi-defenseは学習データの設計でこの問題を克服。一般的なビジネス会議音声の評価においても従来モデル比でCER 44.7%削減と、むしろ精度が向上することを確認した。防衛・航空の専門会議と通常の社内会議を同一モデルで扱える点が大きな強みだ。

提供形態:SecureMemoの期間限定無償オプション

shirushi-defenseは、Nishikaが提供するオンプレミス型AI議事録ツール「SecureMemo」の期間限定無償オプションとして提供される。SecureMemoは外部ネットワークから遮断された環境で動作し、機密性の高い会議内容を外部に一切送信せず社内で完結して文字起こし・要約まで処理できる。文字起こし精度96.2%・自動話者識別・約100言語対応・オフライン環境での生成AI要約などの機能を備え、ISO/IEC 27001・プライバシーマークを取得済みだ。

無償トライアルも提供しており、問い合わせフォーム(securememo-cloud.com)から申し込み可能。

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Q&A

shirushi-defenseとはどんなAIですか?
防衛・航空分野の専門用語に特化した音声認識モデルです。約4,000語の専門語彙を整備して自社モデルを再訓練し、従来の汎用AIでは誤変換が多かった装備品名・航空管制用語などの名詞誤り率を約6割削減しました。
どうやって利用できますか?
オンプレミス型AI議事録ツール「SecureMemo」の期間限定無償オプションとして提供されています。SecureMemoをご利用中または新規検討のお客様が対象で、securememo-cloud.comの問い合わせフォームから申し込みできます。
機密情報を扱っても安全ですか?
SecureMemoはオンプレミス型で外部ネットワークから遮断された環境で動作します。音声データや会議内容が外部に送信されることなく、社内で完結して処理されます。ISO/IEC 27001・プライバシーマークも取得済みです。
この記事のまとめ
  1. Nishikaが防衛・航空特化の音声認識AI「shirushi-defense」を8月25日にリリース。約4,000語の専門語彙で名詞誤り率を56.0%削減した。
  2. 特化学習でも一般会議の精度がむしろ向上(CER 44.7%削減)という「破滅的忘却なし」の設計が特徴。防衛・通常会議を同一モデルで扱える。
  3. オンプレミス型AI議事録ツール「SecureMemo」の期間限定無償オプションとして提供。外部送信なしで会議の文字起こし・要約が完結できるセキュアな設計。
なうらぼ編集部より

「防衛現場の音声認識AIが苦手なのは、一元化された用語辞書がないから」という指摘は、言われてみれば納得の課題です。

医療分野ではDPC病名コードや薬事法用語など標準辞書が整備されており、特化型AIの精度向上に活用できる。しかし防衛・航空分野では装備品名・部隊呼称・材料力学の専門用語が各組織・文書で表記がバラバラのまま使われており、AIが学習するための辞書を作るところから始める必要があった。

Nishikaが今回やったのは、その辞書を公開情報源から約4,000語分地道に構築し、自社モデルに再訓練させるというシンプルだが手間のかかる作業だ。そしてその結果として誤変換を6割削減し、しかも一般会議の精度もむしろ上がるという成果を出した。

防衛DXの推進が政策課題として語られる中、現場の議事録作成という地味なボトルネックを解消するこういうプロダクトが増えていくことが、実質的な生産性向上につながると感じます。

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