南鳥島レアアース採掘に数千億円 内閣府が長期支援へ
内閣府は8月25日、日本最東端・南鳥島(東京都小笠原村)沖の海底に眠るレアアースの商業採掘に向け、「経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)」を通じた数千億円規模の長期支援を視野に入れる方針を固めた。2026年2月にJAMSTEC(海洋研究開発機構)が水深約5,700mからのレアアース泥引き揚げに成功しており、2027年2月の大規模実証試験を経て2028年以降の商用化を目指す。中国が輸出規制を強化し続けるなか、国産レアアースの確保は日本の経済安全保障の最重要課題のひとつとなっている。
- 内閣府は「経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)」を通じ、南鳥島沖のレアアース開発に数千億円規模の拠出を視野に入れる。専用船は中古船を改造して使用する計画で、海底からレアアース泥を引き揚げる大規模実証試験を2027年2月に予定している。
- 背景には中国によるレアアース輸出規制の強化がある。中国は生産シェア約6割・精錬シェア約9割を握り、2025年4月にはEVや高性能磁石に必要な重希土類7種の輸出管理を厳格化した。日本企業・団体への名指し輸出停止措置も実施されており、国産調達の必要性が高まっている。
- 南鳥島沖の海底には推定埋蔵量1,600万トン・総資源評価額165兆円ともいわれるレアアース泥が眠る。2026年2月にJAMSTECが水深約5,700mからの引き揚げに成功しており、次は2027年2月の大規模実証試験、2028年以降の商用化を目指す。
内閣府が南鳥島沖のレアアース海底採掘に数千億円規模の長期支援方針を固めた。推定165兆円の海底資源を国産化し中国依存を脱却する経済安保戦略の核として、2027年大規模実証・2028年商用化を目指す。
詳しく見てみると
なぜ今、南鳥島レアアースなのか
レアアース(希土類)はEV用高性能磁石・風力発電タービン・LED・医療機器・原子炉制御システムなど、脱炭素とデジタル化に不可欠な素材だ。現在、中国は生産シェア約6割・精錬シェアに至っては約9割を握る事実上の独占市場を形成している。
中国は2025年4月、軍用品への転用防止を名目に7種のレアアースの輸出管理を厳格化。同年10月には中国産レアアースを0.1%以上含む場合、外国企業にも中国政府の許可を求める規制を打ち出した。 [](https://www.today-jp.com/news/minamitorishima-rare-earth-mining-commercialization-2026)日本の一部企業・団体にはすでに名指しで輸出停止措置が課されており、「いつ全面停止になるかわからない」(経済官庁幹部)という切迫した状況が続いている。
南鳥島沖の資源ポテンシャル
南鳥島沖の海底にはジスプロシウム・ネオジム・ガドリニウムなど6種類以上のレアアースを高濃度で含む泥が確認されている。ジスプロシウムやネオジム・サマリウムはEVを動かすモーター用の高性能磁石に、イットリウムはLEDや医療機器向け超電導体の材料に、ガドリニウムは原子炉の制御システムに使われる。 [](https://www.zaikai.jp/articles/detail/6420)
推定埋蔵量は1,600万トン・総資源評価額165兆円ともいわれており、日本のEEZ(排他的経済水域)内に眠るこの海底資源は、脱中国依存の切り札として国際的にも注目を集めている。
採掘技術の開発経緯
内閣府の大型研究開発プロジェクト「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」は2014年から南鳥島近海での探査を続けてきた。
採掘には海洋石油開発の技術を応用した「封鎖型泥水循環方式」を開発。海底に堆積する粘度が高い泥を先端の採鉱機で閉じ込めつつ、海水と混ぜてほぐしながら吸い上げる仕組みだ。内閣府でレアアース泥の開発を率いる石井正一氏が2018年から長さ約10メートルのパイプ約600本をつなぎ合わせる技術を設計してきた。 [](https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2456D0U6A820C2000000/)
2026年2月、JAMSTECが水深約5,700メートルの海底からレアアースを含む泥の採掘に成功した。 [](https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG179ZF0X11C25A2000000/)この成果を受け、2027年2月に大規模な実証試験を計画している。 [](https://www.zaikai.jp/articles/detail/6420)
内閣府の長期支援方針と課題
今回、内閣府は「経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)」を通じ、数千億円規模の長期支援を視野に入れると表明した。専用船は中古船を改造して使用する計画だ。
今回の試験採掘は内閣府のSIPの一環で実施されており、SIPは結果を踏まえ2027年2月に大規模実証試験を計画する。 [](https://www.zaikai.jp/articles/detail/6420)商用化の目標は2028年以降とされているが、「べらぼうに金がかかる」(経済官庁幹部)とされるコスト問題が最大の壁 [](https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2456D0U6A820C2000000/)となっている。水深6,000mという極限環境での商業採掘は世界初の挑戦であり、採算性の確立が今後の最大の課題だ。
日米連携という視点
2025年10月には日米両首脳が「重要鉱物及びレアアースの供給確保のための日米枠組み」に署名。2026年3月には東京で日米鉱業鉱物金属投資大臣会合が開催され、両国企業が重要鉱物分野でのプロジェクトへの関心を示した。南鳥島の開発は日本単独ではなく、日米の経済安全保障協力の文脈でも重要な位置を占めている。
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Q&A
- 内閣府が南鳥島沖のレアアース採掘に数千億円規模の長期支援方針を固めた。K Programを通じて商用化を支援する。
- 2026年2月にJAMSTECが水深約5,700mからの引き揚げに成功済み。2027年2月の大規模実証試験を経て2028年以降の商用化を目標とする。
- 中国が生産約6割・精錬約9割を握るレアアース市場で輸出規制が強化されるなか、推定165兆円の国産資源確保が日本の経済安保の切り札となる。

























































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